【修行】非エンジニアだった新人がキッティングしてみた感想【インタビュー】

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【修行】非エンジニアだった新人がキッティングしてみた感想【インタビュー】

弊社ではキッティングの案件に新人を動員することが慣例です。

専門的知識をそこまで必要とせず客先に出向いて仕事を経験できるため、修行の一環としています。

今回は、例年通りこの修行に駆り出されている新人にインタビューしました。

怖いのは最初だけ、繰り返すうちに楽しくなってくる——

– – 自己紹介してください

大熊:アーザス入社1年目の大熊です。この案件が始まるまで社内システムを開発していました。まだ完成していなくて一時中断しています。開発はもちろんキッティングも未経験です。その定義自体よくわかっていませんでした。
 
– – アサインされたときはどう思いましたか?

大熊:期待と不安とで半々でした。入社して数ヶ月、ようやく現場に出してもらえることに喜びつつ、いままでやってきた開発から離れることになるので少し動揺しました。全国に出張できると伺っていたので、楽しみのほうが勝っていたかな笑
 
– – プロジェクト開始までにどんな準備をしましたか?

大熊:まさにここが不安の種になっていたのですが、ほとんどなにもしていませんでした。手順書の説明は受けましたが、実機で試さないことにはどうも要領を得なくて…。検証機がなかったので練習できなかったんです。それに加えて実施作業はPCの使用状況に依存するので、現地作業を通じて初めて発覚する必要な作業もあって、手順書すら未完成でした。現地で必要になりそうな道具(ハブ、電源タップなど)を用意したくらいですかね、準備は。
 
– – どんな作業を行ったのですか?

大熊:キッティングのうちデータ移行を実施しました。旧PCにある個人データを新PCに移動させます。デスクトップやメールアカウントなどが対象ですね。PCを業務使用できる状態にする最終工程にあたります。
 
– – 使用状況に依存するとは?

大熊:対象のデータは使用者やOSによって大きさや保存場所が異なります。初期の手順書ではあるパターンしか想定できていないので、例外に対しては新しい手順を設計する必要がありました。言い換えればパターンごとに手順が分岐する、ということですかね。
 
– – 作業当日、緊張しましたか?

大熊:いうまでもなく「がちがち」でした。作業現場はお客様のいるフロアで、お客様のデスクをお借りします。周囲のプレッシャーに耐えつつ、はじめての作業がいきなり本番です。手順書を何度も見返してPCを操作するのですが、自分がなにをしているのか理解が追い付かず、心中穏やかではありませんでした。初めのうちは隣にチェッカーがついていたのでミスしてもすぐに対処できました。作業自体はとても単純で、3台目あたりから手順が頭に残るようになっていましたね。数日経ったら慣れてしまって、作業を楽しむ余裕すら生まれていました笑。

トラブルが起きても焦らない、我流の手順書は厳禁—–

 
– – 慣れ始めのミスが一番多いといいますが、大丈夫でしたか?

大熊:恥ずかしながら、1台につき最低1ミスはしています。手順飛ばしが多く、ほとんどは大事になる前に気づいて修正できます。作業者の意識の問題なのですが、当初よりも手順が複雑化していること、常に時間に追われていることがミスの温床になりつつあります。作業手順やチェック項目の見直しが急務になっています。
 
– – 大事になったミスはありましたか?

大熊:当然あります。メールの連絡帳が開けなくなったことがありました。インポートする設定ファイルを間違えたために起こったトラブルです。正しいファイルをインポートし直したはずが、潜在的なエラーを含んでいました。幸いバックアップから連絡帳をコピーすることで解消されましたが、ユーザーにご不便をかけてしまいました。この類のトラブルはとても質が悪くて、発見が遅れるうえに解消が難しいんです。
 
– – その類のトラブルについて注意することは?

大熊:手順上の分岐点はチェックポイントとしてマークしておく必要がありますね。もうひとつ大事なのは、例外を発見したらすぐに報告することです。自己判断で進めるとロクな結果になりません。
 
– – ほかに苦労したことはありますか?

大熊:いろいろありますが、一番は待ち時間が長いというところですね。作業は平均で2時間ほどかかります。その半分はデータをコピペしている時間です。初期の手順ではNAS(ネットワーク上の記憶媒体)経由でやっていたんですが、「残り14時間」なんて表示されることあって笑。フロアでLANを共用しているので通信速度が出ないんです。データ移行中はお客様の業務がストップしてしまうので急務にも対応できず。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。結局この台は5時間くらいかかりました。このままでは目標台数を達成できないので、外付けのSSDを使用してデータをコピペするようにしました。おかげで作業時間が大幅に短縮されました。
 
– – 最初からSSDを使わなかったのですか?

大熊:情報漏洩の観点から使ってほしくないというお客様の意向です。SSDを社外に置き忘れてしまったら、機密情報が洩れる危険性がありますから。とはいえここまで時間がかかるとも想定していなかったので、手順の改正を許容してくださいました。
 
– – お客様都合で予定が変わることもありそうですね

大熊:はい。すでに何度かスケジュールの変更がされています。繁忙期に重なってしまった部署は実施日が延期されました。ほかにもお客様がPCを持って外出してしまったときは帰社を待つ必要があります。お客様都合ではないですが、台数の多い拠点では追加の実施日を設けるなど作業が開始されてから予定が変更されることもあります。

– – 今後は地方で作業する予定とのこと、気を付けたいことは?

大熊:いまのうちに手順書を完成させたいですね。地方では作業員が分担されるのでトラブルに対処できる人員が少なくなります。新しいトラブルの解消に手間取ってしまうとスケジュール内での目標達成が難しくなります。いま常駐している拠点は一番台数が多く、ほとんどのパターンを網羅できるかと思います。各個例外を報告してパターンごとの手順を確定していき、漏れのない手順書をつくることがこれからの課題です。