クローニングでWindows10を簡単キッティング!~一般化ってなに?
前々回はバックアップからマスターPCを戻してみました。これでいつでもやり直しができるようになりました。
今回は、いよいよマスターPCをクローンPCにします。
クローンPCをにするためには、マスターPCに対し一般化という処理を加える必要があります。一般化とは何でしょう?そして一般化では何ができるのでしょう?
なぜ一般化をするの?
一般化は Sysprep というプログラムで行うため、シスプレップと呼ぶことが多いです。
各PCには様々なシステム固有の情報が設定されています。一般化せずにクローンしてしまうと、システム固有の情報まで同じになってしまい、色々な問題が発生してしまいます。
それを防ぐため、システム固有の情報を全て削除する必要があります。それが一般化です。
過去の記事があります
一般化に関しては実は一度記事にしています。
Windows8 の頃の記事で少々古いですが、基本的には Windows10 でも変わりませんので、一度読んでみてください。
本記事では、上記に書かれていない情報を中心にご紹介します。
避けては通れない応答ファイル
一般化の話をする場合「応答ファイル」というファイルについて触れなくてはなりません。
応答ファイルとは Unattend.xml というXMLファイルです。一般化を行う際に使用し、色々な設定をすることができます。
別名のファイルでも構いません。ただ、一般化の際に応答ファイルを指定しない場合、デフォルトで Unattend.xml を使用します。あえて変えない方がよいでしょう。
応答ファイルには何を設定する?
実に様々な設定ができるのですが、主だったものを羅列してみます。
- 地域や言語
- タイムゾーン
- 起動時にライセンス条項画面を表示するか
- 起動時にWi-Fi設定画面を表示するか
- ビルトイン管理者のアカウントを有効にするか。有効にする場合はパスワード(暗号化も可能です)
- 使用者
- 使用組織
- OSのライセンスキー(Volume Lisenceの場合は同一ですので、設定しておきます)
- デバイスのドライバ構成を保持するか(同じ機種の場合はドライバ構成が同じなので、保持しておかないと再設定という無駄な作業が必要になってしまいます)
- 自動ログインする時のアカウントとパスワード
- 自動ログインする回数
- プロファイル設定をマスターPCから引き継ぐか
- PC名(設定すると全部同じ名前になってしまうので注意。*でランダム生成が可能。後のスクリプトで正式名を付けることになります)
- 初めてログインした時に実行するファイル(スクリプトやバッチファイルです)
これらは大きく2種類に分けることができます。
初期設定をあらかじめしておくため
初めて起動した時、使用言語など色々聞かれますよね。それらを事前に設定しておくことができます。
PCを配られた人はいちいち設定しなくてもよいですし、設定を統一しておくことができます。
スクリプトやバッチによる自動処理をするため
自動ログインしてスクリプトやバッチファイルをタイミングよく実行することで、以下のようなことを行うことができます。
通常行うというわけではなく、あくまで一例です。
- PCをドメインに参加させる
- OSのライセンスを認証する
- ネットワークドライブを設定する(各部署の共有フォルダを設定することが多いです)
- 特定のユーザーでドメインにログインし、ユーザーをPCの管理者グループに追加する(特に開発者は色々なアプリケーションをインストールしますので、管理者権限が無いと何もできないのです…)
PCを配った後で必ずやるようなことを簡略化させます。
スクリプトやバッチを順番に実行するための苦肉の策
スクリプトやバッチの実行には順番がありますし、実行する際の状況も異なります。
実行し終わったら再起動が必要、など。
マスターPCの時点でスタートアップにスクリプトを置いておいて、最初のログイン時に実行し、終わったら次回のログイン時に実行したいスクリプトをスタートアップにコピーし、再起動。でも自身のスクリプトが残ったままでは再度実行されてしまうので、自分自身を削除しておく。というようなことを繰り返します。
色々やり方はあると思いますが、このような形式が一番多かったです。かなり泥臭いやり方ですね…。
最後に
では応答ファイルはどう作るの?と思われたでしょう。
少々長くなりますので、必要最低限の設定を含め次回ご紹介します。
1から作るのはものすごく面倒ですが、作ってしまえばメンテナンスは比較的容易です。