[Windows 11]クローニングでキッティングする方法

Windows

来年に向けてWindows 11でPCのキッティングを考えている企業も多いと思います。

ではWindows 11はWinodws 10と同じ方法でキッティングは可能なのでしょうか?

Windows 11をクローニングでキッティングできるか検証しました。

使用したクローニングの方法

基本的にWindows 10と同じ方法で行います。差異がある場合は記事中で触れます。

▼詳しい方法はこちらを参照してください。

Windows 11参考記事

Windows 11 22H2で変更される点一覧

プロビジョニングでキッティングする方法

Windows 11 ProでMicrosoftアカウント入力をスキップする方法

[随時更新!]Windows 11のキッティング情報まとめ

検証環境

  • Hyper-V
  • Windows 11 21H2 Pro

1.Windows PEブートメディアの作成

Windows PEブートメディアを作成します。

「Windows ADK for Windows 11」を使って作成しました。

①Windows PE の作成場所を用意する

copype amd64 C:\WinPE_amd64

PE1

PE2.5

②Windows PEのブートイメージのマウント

dism /Mount-Image /ImageFile:”C:\WinPE_amd64\media\sources\boot.wim” /index:1 /MountDir:”C:\WinPE_amd64\mount”

PE2

③各種パッケージの追加

  • WinPE-WMI
  • WinPE-NetFX
  • WinPE-Scripting
  • WinPE-PowerShell
  • WinPE-SecureStartup
  • 日本語フォントパッケージの追加

④各種設定

  • 入力ロケール/システムロケール/UI言語の日本語対応
  • 日本語配列キーボードへの対応
  • タイムゾーンを日本標準時に変更

⑤NICドライバの追加

Hyper-Vで検証したため、今回はドライバを追加しなくても大丈夫でした。

本番でクローニングする場合は必ずドライバを追加して下さい。

⑥パッケージの追加・設定を Windows PE イメージに反映・アンマウント

dism /Unmount-Image /MountDir:”C:\WinPE_amd64\mount” /commit

PE6

⑦ Windows PEブートメディア作成

MakeWinPEMedia /UFD C:\WinPE_amd64 {ブートメディアのパス}

PE7

これでWindows PEブートメディアの作成は完了です。

PE5

2.マスターPC作成

クローン元となるマスターPCを作成します。

①Windows 11のクリーンインストール

マスターPCにWindows 11をクリーンインストールします。

②ユーザーアカウントの作成

アカウントを作成してサインインします。今回は「Setup」としました。

master2

master3

③Administratorを有効にする

AdministratorでマスターPCの設定を行うため、Administratorを有効にします。

Administratorはセキュリティ上悪用されやすいためデフォルトでは無効になっています。

1.スタートメニュー>「コンピューターの管理」を開きます。

2.システムツール>ローカルユーザーとグループ>ユーザーまで移動します。

3.Administratorプロパティを開き、「アカウントを無効にする」のチェックを外します。
master4

4.Administratorでログインします。

master5

④各種設定

サインイン後、マスターPCの設定をします。

今回は以下の設定を行いました。この設定が完了すればマスターPCの出来上がりです。

  • 必要なアプリケーション(今回はAdobe Reader)のインストール
  • ライセンスキーを設定
  • Windows Updateで更新プログラムを適用

master6

3.バックアップ

Windows PEを使用してマスターPCのバックアップファイルを作成し、実際にバックアップから戻せるか検証します。

master6

▲この画面に戻ることが出来たらバックアップ成功です。

②バックアップの作成

Windows PEで以下のコマンドを実行してマスターPCのバックアップファイルを作成します。

dism /Capture-Image /ImageFile:{バックアップファイルのパス} /CaptureDir:{マスターPCのパス} /Name:”before_sysprep”

今回は外付けHDDにbefore_sysprep.wimというバックアップファイルを作成します。

バックアップファイル

バックアップファイル「before_sysprep.wim」が作成できました。
backup1

②バックアップから戻す

Windows PEで以下のコマンドを実行してバックアップを適用します。

dism /Apply-Image /ImageFile:{バックアップファイルのパス} /Index:1 /ApplyDir:{バックアップを戻すパス}

backup3

再起動してサインインします。
backup4

マスターPCのバックアップファイルから戻すことに成功しました。
backup5

4.一般化

次にマスターPCとは別の「テクニシャンPC」を使い、一般化に必要な応答ファイルを作成し、マスターPCを一般化していきます。

①応答ファイル作成

Windows 11のISOファイルから応答ファイルを作成します

ISOファイルをマウントし、「sources」フォルダから「install.wim」ファイルをコピーします。
応答ファイル1

「Windowsシステムイメージマネージャー」を開いてコピーした「install.wim」ファイルを読み込みます。
応答ファイル2

応答ファイル3

読み込むとWindowsイメージがなぜかWindows 10と表示されます。ですが、結果的には問題ありませんでした。
応答ファイル4

カタログファイルを作成します。
応答ファイル5

カタログファイル「install_Windows 10 Pro.clg」が保存されました。

※こちらもイメージと同じくWindows 10 (Pro)として保存されました。
応答ファイル6

②応答ファイルの設定

応答ファイルに以下の項目を設定して保存します。

  • 1 windowsPE

【amd64_Microsoft-Windows-International-Core-WinPE_neutral】

応答ファイル7

  • 3 generalize

【amd64_Microsoft-Windows-PnpSysprep_neutral】

応答ファイル8

  • 4 specialize

【amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup_neutral】

応答ファイル11

【AutoLogon】

応答ファイル10

【Password】

応答ファイル9

  • 7 oobeSystem

【amd64_Microsoft-Windows-International-Core_neutral】
応答ファイル12

【amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup_neutral】
応答ファイル17

【FirstLogonCommands】

今回はバッチファイルを用意しなかったため、「CommandLine」欄に何も設定していません。

応答ファイル13

【OOBE】

応答ファイル14

【UserAccounts】

応答ファイル15

【WindowsFeatures】

応答ファイル16

④マスターPCの一般化

応答ファイルを使ってマスターPCを一般化します。

マスターPCの「Windows>System32>Sysprep」に応答ファイルをコピペします。
応答ファイル

コマンドプロンプトを管理者で実行し、Sysprepコマンドで一般化を実行します。

sysprep.exe /oobe /generalize /shutdown

gene3

★Sysprepコマンドで一般化するとエラーが発生する場合の対処方法

一般化したところ、エラーが発生したと表示されました。
gene2

「setupact.log」を見ると「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」が原因で実行できなかったようです。

Error SYSPRP Package Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP_22000.11.28.0_neutral__8wekyb3d8bbwe was installed for a user, but not provisioned for all users. This package will not function properly in the sysprep image.

「Windows Power Shell」で以下のコマンドを実行して「Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP」を削除します。

Get-AppxPackage -AllUsers Microsoft.LanguageExperiencePackja-JP* | Remove-AppxPackage -AllUsers

もう一度Sysprepコマンドを実行するとうまくいきました。

gene3

⑤一般化したマスターPCのイメージをキャプチャする

Windows PEで一般化したマスターPCのイメージをキャプチャします。

以下のコマンドでイメージのキャプチャを「after_sysprep.wim」に保存します。

dism /Capture-Image /ImageFile:{一般化したイメージファイルのパス} /CaptureDir:{キャプチャするマスターPCのパス} /Name:”after_sysprep”

一般化キャプチャ

イメージのキャプチャが完了しました。
一般化キャプチャ

5.イメージ適用

①クローンPCのパーティション作成

作成したWindows PEを使い、以下のコマンドを実行してパーティションを作成します。

select disk 0
clean
convert gpt
create partition primary size=300
format quick fs=ntfs label=”Windows RE tools”
assign letter=”T”
create partition efi size=100
rem == Note: for Advanced Format Generation One drives, change to size=260.
format quick fs=fat32 label=”System”
assign letter=”S”
create partition msr size=128
create partition primary
format quick fs=ntfs label=”Windows”
assign letter=”W”

②Windowsパーティションに一般化したキャプチャイメージの適用

次にWindowsパーティションに一般化したキャプチャイメージを適用します。

dism /Apply-Image /ImageFile:{一般化したイメージファイルのパス} /Index:1 /ApplyDir:{適用先のクローンPCのパス}

③システムパーティションの構成

最後にシステムパーティションを構成します。

W:\Windows\System32\bcdboot W:\Windows /s S:

処理が完了したら「exit」でWindows PEを終了し、PCから外します。

6.クローンPCの設定

クローンPCを起動させます。

クローンPCの名前を設定します。
クローンPC1

「職場または学校用に設定する」をクリックします。
クローンPC2

「代わりにドメインに参加する」をクリックします。
ドメイン参加

ローカルアカウントを設定します。今回は「Setup」とします。

クローンPC1

デフォルトではビルトインAdministratorは利用できません。使用したい場合はサインイン後に有効に設定して下さい。

サインインします。
クローンPC2

Administratorを有効に設定してからサインインし直します。

クローンPC3

Adobe Readerがインストールされているため、マスターPCの設定が引き継がれていることが分かります。
クローンPC4

あとはPCのドメイン参加や、各種ライセンスキーの設定などを行えば終了です。

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