Windows 11のスタートメニューレイアウトをIntuneで制御・配信する方法【前編:JSON設計編】

株式会社アーザスです。
社内PCのWindows 11を構築する中で、エンドポイントの共通化やキッティング工数の削減を狙い、「スタートメニューの初期レイアウトを統一したい」というご相談をよくいただきます。
Windows 10ではXMLファイルとグループポリシー(GPO)を組み合わせた制御が主流でしたが、Windows 11では定義ファイルの形式が「JSON」へ変更され、従来のWindows 10用XMLファイルをそのままWindows 11へ適用することはできず、JSONファイル形式での再定義が必要となります。
今回は前編として、Windows 11におけるスタートメニュー制御の全体像、JSON構造の記述方法、および実務で押さえるべき設計上のポイントについて解説します。
1. JSON構造とアプリケーション識別子(ID)の仕組み
Windows 11のスタートメニューレイアウトは、pinnedList 配列内にピン留めしたいアプリを順番に定義していく構成となっています。
JSONファイル例
{
"pinnedList": [
{ "desktopArgument": "", "desktopAppId": "MSEdge" },
{ "packagedAppId": "Microsoft.Teams_8wekyb3d8bbwe!MainPackage" },
{ "desktopArgument": "", "desktopAppId": "Microsoft.Office.OUTLOOK.EXE.15" }
]
}
アプリケーションの種類と指定方法
JSON内でアプリケーションを指定する際、アプリの種別によって記述するプロパティ名が分かれます。
1. ストアアプリ・UWPアプリ(Packaged App)
packagedAppId プロパティを使用し、Package Family Name(PFN)とApp IDを組み合わせた形式で指定します。
記述例:”packagedAppId”: “Microsoft.Teams_8wekyb3d8bbwe!MainPackage”
2. Win32・デスクトップアプリ(Desktop App)
デスクトップアプリの指定には、以下の2通りのプロパティのいずれかを使用します。
・desktopAppId:AppUserModelID(AUMID)で指定する場合
記述例:”desktopAppId”: “MSEdge”
・desktopApplicationLinkPath:スタートメニューのショートカット(.lnk)のローカルパスで指定する場合
記述例:ショートカットの配置先フルパスを指定
2. 定義ファイル(JSON)のエクスポート
Windows 11環境では、モデル端末で作成したレイアウトをPowerShellコマンドを用いて直接JSONファイルとしてエクスポートすることが可能です。
管理者権限のPowerShellで以下のコマンドを実行することで、現在のスタートメニューレイアウトがそのままJSON形式で出力されます。
Export-StartLayout -Path "C:\Layouts\LayoutModification.json"
3. 実務運用における設計上のポイント
配置ルール
指定したショートカットパスやAUMIDがクライアント端末上に存在しない場合、スタートメニュー上ではそのアプリが自動的にスキップされて詰めて表示されます。
表示仕様
視認性と利便性を考慮し、実務では18〜36個程度に収まる主要アプリに絞って初期配置を設計するのがポイントです。
ユーザーによる変更許可と ApplyOnce の設計
配信されたレイアウトは初期配置として設定され、ユーザー自身でピン留めを追加・並べ替え・削除することができます。しかし、デバイスに再ログインするとIntuneで定義したレイアウト構成に戻ってしまい、ユーザーが編集したレイアウトは保存されません。
ただし、Windows 11 24H2以降では「ApplyOnce(初回適用のみ)」がサポートされており、初回セットアップ時のみ指定レイアウトを配置し、以降のユーザーによるカスタマイズを保持させる運用が可能になります。
全社共通の初期レイアウトを提供しつつ、社員の利便性を損なわない設計とするため本設定を有効にすることがポイントです。
まとめ
Windows 11のスタートメニューレイアウト制御は、Export-StartLayout で出力したJSONデータをそのままIntuneへ流し込めるようになり、構築の手間が大きく軽減されています。
次回(後編:検証編)では、実際にエクスポートしたJSONファイルを用いて、Intuneの設定カタログから配信し、実機で適用状態を確認する手順を解説します。
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