MECM[SCCM]OS展開の概要を誰でも分かるように説明してみた
MECMのOS展開ですが、知っておくべき要素が多く、何をどうやっているのか難しくて分からない印象があります。
そこで今回はOS展開について、できるだけ初心者向けに分かりやすく説明します。
はじめに
既にOS展開に関しての記事はあるのですが、少々細かい内容のため概要を掴むには向いていません。
そこでもっと概要が分かりやすい記事を書くことにしました。
OS展開とは
「OS展開」とはPCの初期設定を行う機能のことで、MECMの主要な機能の1つです。
少し語弊がありますが「キッティング」と呼んだ方が分かりやすいかもしれません。
PCの初期設定を行うことで、ユーザーがPCを受け取ってすぐに仕事ができる状態にします。
ただ、会社や部署など使われる場所や使うユーザーによってPCの機種や設定、使うアプリケーションが違うので、手動で行うのは非常に大変です。
OS展開のやり方
OSのインストールなど、PCの初期設定をするのに必要なたくさんの処理内容を、MECMの「タスクシーケンス」より設定します。
タスクシーケンスとは、PCが実行するタスク(仕事)の順番が記録されたもので、PC設定に関する「やることリスト」のようなものです。
▼タスクシーケンスの画面はこんな感じです。実際にこれを編集してOS展開の設定をします。
タスクシーケンスから設定可能なPCの初期設定の一部を紹介するとこんな感じです。そこそこ多いですがかいつまんで説明していきます。
- パーティション作成
- ネットワーク設定
- Windowsライセンス設定
- デバイスドライバ適用
- アプリケーションのインストール
- セキュリティパッチの適用
- ユーザーの作成
- Active Directoryへ参加
パーティション作成とは
OSを正常にインストールするためにPCのストレージを部屋分けすることです。
▼UEFI/GPTの場合、以下のようなパーティションになります(MSRパーティションは表示されません)
ネットワーク設定とは
ワークグループやドメインのようなネットワークへの参加や、Wi-Fiの設定などが主な内容です。
Windowsライセンス設定とは
Windowsのプロダクトキーの設定などを行います。
デバイスドライバ適用とは
デバイスドライバとはデバイス(プリンターなど)をPCを介してコントロールするアプリケーションのことです。
Windowsにはあらかじめ標準ドライバが入っているので大抵のデバイスはそのまま使えますが、ドライバが無いと全く使えなかったり正常に使えないデバイスがあります。
アプリケーションのインストールとは
会社や部署で必要なアプリケーションをインストールできます。
セキュリティパッチの適用とは
更新プログラムをインストールすることです。セキュリティパッチが適用されていないとマルウェアに感染しやすくなる危険性があります。
ユーザーの作成とは
PCを使用するユーザー用にアカウントを作成します。
Active Directoryへ参加
Active DirectoryとはWindows Serverに標準で搭載されている機能で、複数のPCを一元的に管理することができます。
グループ分けのような機能により、機密性の高いファイルに部署ごとでアクセス制限をかけたり、部署ごとにPCの設定を変えたりできます。
OS展開はどういう時に便利なのか
大量のPCをキッティングしたいとき
OS展開は企業が大量のPCをキッティングするのにとても重要な機能です。
OS展開を使えば、設定したキッティング内容を自動実行で大量のクライアント(コピー先のPC)に配信できるので、ミス無く安全に実行可能です。
PCの設定内容を変更したいとき
インストールするアプリケーションの変更があったときなど、タスクシーケンスから変更できるので修正も簡単です。
逆に変更も簡単なので、タスクシーケンスをコピーしてインストールするアプリケーションを変更すれば、部署ごとのバリエーションを増やすことも容易です。
最後に
ここまでOS展開の概要について説明してきました。
PCの初期設定を一つ一つバラして見ていくと、そこまで難易度は高くないと感じたのではないでしょうか?
この記事でOS展開の概要をなんとなく分かっていただけたら幸いです。