なぜWindows Autopilotは普及しないのか?やはりMECMがおすすめ
どうもアーザス代表の中島です。
最近、Windows Autopilotを使ってキッティングを簡略化して工数を減らしたい!という問い合わせを受けます。
弊社でもこのWindows Autopilotを注目しているのですが、まだ普及しているとはいえません。
昔からキッティングに従事してきた私が、Windows Autopilotが普及しない理由をいくつか考えてみたので参考にしてください。
{2022/4/11更新)「現在のデバイス製造元一覧」を更新しました
Windows Autopilotの構築手順はこちら
具体的な構築手順はこちらの記事を参照。
Windows Autopilotが普及しない理由 その1
Windows Autopilotではやれることが少ないです。
Windows AutopilotはあくまでもOOBEを代行してくれるようなツールです。以前ご紹介したプロビジョニングパッケージと同じような位置づけです。
PCのセッティング処理を起動するようなことはできますが、全てのPCのセットアップ処理を簡単に実装できるようなものとは違うように思います。
実際にPCをセッティングをする場合は、バッチやタスクを数珠つなぎにして処理を組み込む必要があります。
またAutopilotとセットで利用することになるIntuneですが、MECMと比較すると柔軟性が劣ります。
Windows Autopilotが普及しない理由 その2
全部の環境をクラウド環境に寄せる必要があります。
具体的には以下のいずれかのクラウド環境を用意する必要があります。
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 F1 または F3 サブスクリプション
- Microsoft 365 アカデミック A1、A3、または A5 サブスクリプション
- Microsoft 365 Enterprise E3 または E5 サブスクリプション
- Enterprise Mobility + Security E3 または E5 サブスクリプション
- Intune for Education サブスクリプション
- Azure Active Directory Premium P1、P2 + Microsoft Intune サブスクリプション
詳しくはこちらの記事が参考になります。
Windows Autopilotが普及しない理由 その3
デバイスの購入先がWindows Autopilotを使用して出荷しているメーカーに限られます。
主要なメーカーは対応していますが、自由にメーカーを選択できる状況ではありません。また、顧客のAutopilot環境に対してメーカーがデバイスを登録するので、承認作業などいくつかの手続きが必要です。
▼Autopilotに対応しているデバイス製造元、リセラー
2022年4月現在のデバイス製造元一覧です。
- acer
- ASUS
- BlueChip
- DELL
- dynabook
- 富士通
- Getac
- HP
- Lenovo
- NEC
- Panasonic
- POSITIVO
- Softchoice
- Microsoft Surface
- TAROX
- WORTMANN
Windows Autopilotが普及しない理由 その4
企業が持っているボリュームライセンスが使えません。
日本の大企業の多くはOSのボリュームライセンスを所有しており、クローニングやOS展開したPCに対しライセンス付与しています。
このWindows Autopilotを使う場合は、企業側のボリュームライセンスではなく、メーカーが設定したデバイスのOEMライセンスを新たに使用します。
Windows Autopilotの代替案
従来のマスターを使用したクローニングが慣例ではありますが、マスターイメージの管理工数を減らすためにもMECMでタスクシーケンス化してしまうことをお勧めします。MECMを使用するとボタン1つでマスターイメージにFUを適用することも可能です。
更に「クラウド管理ゲートウェイ」機能を使って、リモートワークなどの社外のPCを管理することができるようになりました。社内のPCはもちろん、社外のPCに対しても細かい管理が可能です。
最後に
企業の環境をドラスティックに変えることが必要なこともありますが、ステップアップも良いやり方です。
特にまだスタンダードになっていないWindows Autopilotを導入するよりは、既存環境をいかに効率的に管理できるかどうかをするかを考える方がメリットがあるように思います。