[修正済][Windows 11]Ryzen2000などAMD社CPU搭載PCで特定のアプリのパフォーマンスが低下する不具合
MicrosoftとAMD社は、「AMD社のCPU搭載PCでWindows 11を実行すると、特定のアプリのパフォーマンスが低下する不具合を確認した」と発表しました。特にeスポーツで一般的なゲームのパフォーマンスは10〜15%遅くなる可能性があるとのことです。
(2021/10/22更新)Microsoft、AMD社によってこれらの不具合が修正するパッチがリリースされました。
(2021/10/14更新)2021年10月12日のセキュリティアップデート「KB5006674」を適用すると、この不具合がさらに悪化することが確認されました。
(2021/10/14更新)【方法3】KB5006674をアンインストールする
(2021/10/14更新)【方法2】セキュリティアップデートを待つ
情報ソース
不具合の対象
Windows 11に互換性のあるAMD社製のCPU(Ryzen2000シリーズ以降)を搭載したPCで、Windows 11をインストールしている環境が不具合の対象です。
▼Windows 11に互換性のあるAMD社製のCPU一覧は以下のリンクから確認可能です。
不具合の症状
CPUの三次キャッシュのレイテンシが増加する不具合
CPUの三次キャッシュのレイテンシ(データ通信の遅延時間)が増加する不具合が確認されています。
この不具合によってメモリを大量に消費するアプリのパフォーマンスが低下する可能性があります。特定のアプリで3〜5%のパフォーマンスが低下、特にeスポーツで一般的に使用されるゲームは10〜15%パフォーマンスが低下する可能性があるとのことです。
UEFI CPPC2(優先コア)のスケジューリング機能の不具合
「優先コア」のシングルスレッドのアプリケーションを最速のコアに転送する「スケジューリング機能」に不具合が確認されています。
この不具合によって、CPUスレッドのパフォーマンスに依存するアプリのパフォーマンスが低下する可能性があります。特に8コア以上のCPUで、熱設計電力(TDP)が65W以上の場合にこの不具合が発生しやすいとのことです。
不具合の原因
AMD社によると、Windows 11では「仮想化ベースのセキュリティ(VBS)」機能がデフォルトで有効となっていることが原因とのことです。
VBS機能とは、Windowsが追加のセキュリティパッチを提供し、既知の脆弱性や遠隔の攻撃者からオペレーティングシステムを保護するハードウェア仮想化機能です。
解決方法
修正を適用する(2021/10/22更新)
AMD社、Microsoftにより、これらの不具合が修正されました。
AMDチップセットドライバーパッケージ3.10.08.506をインストールする
AMD社により、UEFI CPPC2(優先コア)のスケジューリング機能の不具合を修正した「ドライバーパッケージ3.10.08.506」がリリースされています。
▼以下リンクからインストーラーをダウンロード可能です。
KB5006746を適用する
KB5006746によって、CPUの三次キャッシュのレイテンシが増加する不具合が修正されました。
【方法1】該当する環境の場合、Windows 11をインストールしない
該当する環境のPCをお使いの場合、すぐにWindows 11をインストールしないことをおすすめします。
【方法2】セキュリティアップデートを待つ(2021/10/14更新)
Microsoftはこれらの不具合を2021年10月12日のセキュリティアップデートで修正する予定だと発表しています。
既にWindows 11をインストールしてしまった場合は、10月19日にリリース予定の修正パッチを待つことをおすすめします。
【方法3】KB5006674をアンインストールする(2021/10/14更新)
2021年10月12日のセキュリティアップデート(KB5006674)でこの不具合がさらに悪化してしまうことが確認されました。適用後、CPUの三次キャッシュのレイテンシが70%増加してしまうとのことです。
【注意】このセキュリティアップデートをアンインストールすると、以下の脆弱性、不具合修正などが未適用になります。
・Hyper-Vのリモートコード実行の脆弱性(CVE-2021-40461)の修正
・「Intel Killer」、「SmartByte」などのネットワークソフトウェアとWindows 11の互換性エラーの修正
▼更新プログラムのアンインストール方法はこちらの記事を参照して下さい。
【最終手段】レジストリを編集してVBS機能を無効にする
どうしても今すぐこの不具合を修正したい場合のみこの方法を試して下さい。レジストリの編集は慎重に行わないとPCに異常が発生し、最悪の場合は起動しなくなってしまいます。
以下のレジストリキーの値を「0」に設定します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\DeviceGuard\EnableVirtualizationBasedSecurity
Windows 11バージョン21H2の不具合一覧
MECM(SCCM)でレジストリ編集をすると安心です
記事内で紹介したレジストリの編集は慎重に行わないとPCに異常が発生し、最悪の場合は起動しなくなってしまうため、PCごとに個別で編集するよりも、MECMなどのツールを使った編集をおすすめします。
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