[Intune]intunewinファイルでも配信の最適化って機能するの?その質問にお答えします!

Intune/Autopilot

以前「intunewin」というファイル形式を使用することで、Intuneでファイルの展開が行えるとお話しました。

実はこの機能を使えば Microsoft Update Catalog からダウンロードした更新プログラムをintunewinファイルにすることで、Intuneで展開することが可能なのです!

・・・するとここで一つこんな疑問が。

intunewinファイルで展開した更新プログラムって配信の最適化の機能を使えるの?

という訳で検証した結果を皆様にお伝えします!

intunewinファイルを使った展開方法はこちら

配信の最適化ってなーに?


と本題に入る前にまずは配信の最適化について説明しましょう!

配信の最適化とはWindows 10から導入されたP2P型の配布方法を指します。

P2Pとは「Peer-to-Peer」の略称のことで、不特定多数の端末(スマホなど)がサーバを介さずに、端末同士で直接データファイルを共有することができる通信技術、またはソフトウェアのことを指します。

この機能を使用すると機能更新プログラムや累積更新プログラムをダウンロードする際に、WSUSやWindows Updateだけでなく、事前に更新プログラムをダウンロード済の別PCからコンテンツの取得を行うことが可能です。

配信の最適化の詳細についてはMicrosoftのサポートチームが書いたブログがありますので、そちらもご確認ください。

で、intunewinファイルの場合はどうなるの?

さてここで今回のメインテーマ「intunewinファイルで更新プログラムを展開したらどうなるのか」という問題に踏み込みましょう。

検証するために以下のような準備をしました。

使用端末

2台のHyper-Vの仮想マシンです。

  • CMGTestCL03
  • CMGTestCL04

どちらもOSはWindows 10 22H2で、Azure AD Join済の端末です。

検証の流れとしては、まずCMGTestCL03だけに更新プログラムを展開し、CMGTestCL03が更新プログラムのダウンロードを完了した後に、CMGTestCL04に更新プログラムの展開を行います。

配信の最適化のポリシーの作成

今回はダウンロードモードを[HTTPと同じNATでのピアリングの組み合わせです]に、キャッシュサイズを[5]%に設定しています。

配信したコンテンツ

Windows 10 22H2の2023年4月の累積更新プログラムをintunewinファイルに変換して展開しました。

検証の確認に使用したツール

配信の最適化の確認は、Windows 10に標準搭載されている「アクティビティモニター」で行いました。

アクティビティモニターはWindowsに標準で用意されている、配信の最適化で使用したネットワーク状況が確認できるツールで、配信の最適化を有効化していなくても
[設定]>[更新とセキュリティ]>[配信の最適化]>[アクティビティモニター]
で確認が可能となっています。

このツールを使用すれば、コンテンツをそれぞれネットワークとキャッシュからどれだけダウンロードしたか、他の端末にどれほどコンテンツを送信したかが確認できます。

果たして結果は・・・

CMGTestCL03の場合

まずは先行配信を行ったCMGTestCL03を見てみましょう。先行配信した理由は、CMGTestCL04がCMGTestCL03から更新プログラムをP2Pでダウンロードするためです。

そんな先行配信したCMGTestCL03を確認すると、アクティビティモニターの「マイクロソフトから」の数値が上がっています。

▼更新プログラムインストール前

▼更新プログラムインストール後

どうやらIntuneからの展開はマイクロソフトからダウンロードを行っていると判断されるようです。

CMGTestCL04の場合

続いて同じ更新プログラムの展開を行ったCMGTestCL04はどうでしょう。

予想では配信の最適化を行っているため、CMGTestCL04はCMGTestCL03からコンテンツの取得を行うはずです。
もしも上記の予想が当たっていれば、アクティビティモニターの「ローカルネットワーク上のPCから」の数値が上がるはずです。

さて実際のところはどうなのでしょう・・・レッツチェック!

▼更新プログラムインストール前

▼更新プログラムインストール後

「マイクロソフトから」の数値もやや上がっていますが、一番上がっているのは予想通り「ローカルネットワーク上のPCから」が上がっているのが分かります。

以上のことから配信の最適化はintunewinファイルを使用しても問題なく機能するようです。

最後に

この機能を使用すれば各拠点の帯域問題の解決にもつながるかもしれません。

Intuneの運用についてお困りのことがありましたらぜひぜひアーザスにご相談ください!