MECM/SCCM導入事例~キッセイコムテック株式会社様~その5
前回は、いずれ直面するストレージの容量不足への対策をご紹介しました。
キッセイコムテック様が抱える非常に悩ましい課題を、SCCM で解決するためには様々な対策が必要でした。
オーダーを受けた当日に納品するケースがあるほど、キッティングに速度が求められます。
タスクシーケンスを導入したことで、バリエーションに容易に対応できるようになりました。これだけでもキッティングのお膳立てがとても早くなったと思います。
あとはキッティングそのものを早く行うために、いくつか工夫をしました。1つだけですがご紹介します。
「不特定のPC」に対してのOS展開とした
社内向けPCの場合
社内向けにOS展開を行う場合、あらかじめ SCCM にデバイス情報を登録しておく必要があります。
デバイスとはPCのことです。デバイス情報は通常MACアドレスとPC名の組み合わせです。
OS展開のタスクシーケンスを実行すると、PCのMACアドレスを元にPC名が設定されます。
社内向けのPCでは、PC名が非常に重要です。ドメイン参加時に適用される ActiveDirectory のポリシー設定はもちろん、アプリケーション配信など SCCM による管理もPC名を元に行います。
レンタルPCの場合
レンタルPCの場合、キッティングが終わったらネットワークから切り離され、レンタルされます。
ドメイン参加もしませんし、SCCM で管理されることもありません。つまりデバイスを特定する必要がありません。
デバイスを特定する必要が無いので、あらかじめ SCCM にデバイス情報を登録する必要がありません。
MACアドレスとPC名の一覧化はかなり大変な作業なのです・・・。
デバイス情報が未登録のPCでネットワークにつながっているものは、「すべての不明なコンピュータ」というデバイスグループに含まれます。
よってそのデバイスグループに対してタスクシーケンスを展開すればよいのです。これはとても楽です。新しいPCが納入されてもデバイス登録する必要がないのですから。
なおPC名はランダムに設定されますので重複することはありません。
最後に
今回は、キッティングをなるべく早く行うための工夫をご紹介しました。
SCCM 導入事例の紹介は今回が最後です。
PCレンタルのキッティングという SCCM としては珍しい業務ではありますが、タスクシーケンスを始めとして非常に効果的に働いたと思います。SCCM の懐の深さ、万能さを垣間見た事例でした。
キッセイコムテック株式会社様には、事例紹介をご承諾いただき、改めてお礼を申し上げます。