Oracle VM VirtualBoxでMECM/SCCMの検証環境を作成しよう~VirtualBoxとは?
SCCM を運用していると、本番環境と同じテスト環境を使って動作確認を行うことがあります。
最低限の SCCM 環境を構築するには、ADサーバと SCCM サーバの2台を用意する必要があります。さらに複数のお客様の SCCM を運用している場合、それぞれ構成が異なりますので、同じテスト環境を使い回すわけにもいきません。現実的にそれだけの物理サーバを用意するのは難しいです。
そういった場合に、仮想環境を利用すれば、手軽にテスト用の環境を構築することが可能です。
今回から、数ある仮想化ソフトウェアの一つ「Oracle VM VirtualBox」を使って、SCCM の検証環境を作成する手順を数回に分けて解説します。
Oracle VM VirtualBoxとは?
Oracle VM VirtualBox とは、Oracle という会社が開発している無料で使用できる仮想化ソフトウェアのことで、仮想環境を構築する際に使用されます。
ここで仮想環境という言葉が出てきましたが、そもそも仮想環境とはなんなのでしょう?
仮想環境とは?
仮想環境とは、パソコンやサーバなどのハードウェア内で、物理的な環境に囚われず仮想的に作り出された疑似的な世界のことです。
具体的に言うと、コンピュータの中に別のコンピュータを作り、あたかも本物のように操作することができる環境です。
これにより、一台の物理サーバ上に、複数の仮想サーバを稼働することができるので、SCCMの構築で必要なサーバを新たに購入しなくとも用意できるようになります。
仮想サーバについては以前の記事にて詳しく説明しておりますので、一度目を通してみてください。
仮想化ソフトウェアの種類
仮想化ソフトウェアには、ホスト型、ハイパーバイザ型、コンテナ型があります。
VirtualBox はホスト型です。ハイパーバイザ型には Hyper-V、ESXi などがあります。コンテナ型には Docker があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、比較して自身の環境にあったものを選んでください。
ここでは、VirtualBox のホスト型のメリット・デメリットについて触れたいと思います。
メリット
・手軽に導入することができる
仮想化ソフトウェアをホストOSにインストールしアプリケーションのように実行できるため、他に比べて簡単に構築することが可能です。
・物理的なコンピュータのOS(ホストOS)とは違うOS(ゲストOS)を実行することが可能
例えば、Windows PC上で Linux や macOS を動かすといった具合に、様々なOSを操作することができるようになります。
ハイパーバイザ型でも同じことが可能ですが、コンテナ型では使用できるOSに縛りがあります。
デメリット
・動作速度が遅い
ホスト型は、ホストOS上に仮想化ソフトウェアをインストールします。ホストOSが起動して仮想化ソフトウェアを動かし処理を行うので、オーバーヘッド(何らかの処理をするときに発生する付加的な処理)が生まれます。
3つの仮想化ソフトウェアの中では、最もオーバーベッドが高い傾向にあります。
最後に
今回は VirtualBox や仮想環境について説明しました。
次回から VirtualBox を使った作業手順について解説したいと思います。