GoogleがCookieの代替技術FLoCを撤回!新技術「Topics」は何が違う?
1月25日(現地時間)、GoogleはサードパーティーCookieの代替技術「FLoC」を撤回し、新しく「Topics」を発表しました。
近いうちに「Google Chrome」で「Topics」関連の機能を追加し、開発者向けトライアルを行うとのことです。
情報ソース
FLoC(Federated Learning of Cohorts)とは?
「トラッキング広告」を表示させる技術として使われてきた「サードパーティーCookie」の代替としてGoogleが考え出した技術のことです。
Webサイトを訪れた大量のユーザーのデータを分析し、それをグループ単位で管理します。
▼詳しくはこちらの記事を参照して下さい。
トラッキング広告とは
例えば、「Amazonでお買い物をしたら、別のWebサイトの広告にAmazonで買った関連商品が表示される」といった広告のことです。
Topicsとは?
FloCの反省を活かして再構築されたシステムです。
「Topics API」がユーザーの最近のブラウザの履歴に沿った3つの「トピック」を選び、広告を表示させるサイトと広告パートナーと共有することでユーザーに沿った広告を表示させます。
例えば、ブラウザ履歴にヨガのサイト(Yoga.example)があれば「フィットネス」などのトピックが選択されます。
初期段階のトピックは約350個となる予定です。また、人種、性別といった情報はトピックに含まない配慮がされています。
FLoCの問題点
- 個人を特定できる可能性がある
- ユーザー情報の活用先が不透明
- 企業から見てユーザーの好みが画一的になる
個人を特定できる可能性がある
フィンガープリント(デバイスやブラウザの特徴を利用した個人を追跡できる指紋データ)が大量に導入されるため、悪用される可能性がゼロではありません。
ユーザー情報の活用先が不透明
Webサイトの中で閲覧傾向が近い他のユーザー情報と一緒に機械学習にかけられるため、ユーザー情報のどの部分が広告に反映されるか分かりません。
企業から見てユーザーの好みが画一的になる
ユーザーが個人単位からグループ単位に統一されるため、ユーザー個人に対しての解像度が低くなり、広告内容が画一的になってしまう可能性があります。
Topicsの改善点
- 個人を追跡できるデータが悪用されにくい
- ユーザーが広告に反映された情報を確認できる
- ユーザー側から無効にできる
個人を追跡できるデータが悪用されにくい
「Topics」では、フィンガープリントがより悪用しにくい仕組みとなっている上、選択されたトピック情報の提供にあたってはユーザーの特定を防止する処理が行われます。
ユーザーが広告に反映される情報を確認できる
FLoCは広告にユーザー情報のどこが反映されるかがランダムですが、「Topics」では広告に反映するために選択されたトピックをユーザーが確認できます。
トピックをユーザー側から操作できる
FLoCではユーザー側から操作することはできませんでしたが、「Topics」ではユーザー情報がWebサイトではなくPCのブラウザ内に保存されるため、興味のないトピックの削除や、広告に反映するために選択されたトピックをオプトアウトする(無効にする)ことが可能になります。
終わりに
Googleは、「Topics」の最終的な設計やAPIの動作に関しては、トライアルで収集したフィードバックを元に「Topics」をさらに改善させていきたいとしています。
また、FLoCに引き続き、Googleは2023年半ばから末にかけてサードパーティーCookieを利用した広告を段階的に廃止する予定のため、企業は「Topics」に合わせた広告戦略を検討するか、ファーストパーティー・データの収集など、サードパーティーcookieに頼らない広告手法への移行を検討する必要がありそうです。