日本でNFC Payが普及するかも!?同じコンタクトレス決済のFeliCaと何が違う?

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日本でNFC Payが普及するかも!?同じコンタクトレス決済のFeliCaと何が違う?

弊社ではクレジットカードを使ったキャッシュレス決済のシステム構築に力を入れています。

キャッシュレス決済で欠かせないのがコンタクトレス決済です。非接触型決済ともいいます。文字通り物理的な接触をしない決済ですが、我々に一番馴染みのあるSuicaもそれに含まれます。

SuicaはFeliCa(NFC Type-F)という通信仕様を使っていますが、同じようなものに海外で普及しているNFC Pay(NFC Type-A/B)というものがあります。何が違うのでしょう?同じNFCなので互換性はあるのでしょうか?

FeliCa

FeliCa

おなじみのFeliCaです。日本で最も普及しているコンタクトレス決済といえばこれでしょう。

ちなみに、同じNFCでも海外で一般的なNFC Payとは通信方式が異なりますので、互換性はありません。

様々なキャッシュレス決済で使用されている

FeliCaを使ったキャッシュレス決済は、代表的なものだけでもこんなにあります。

  • Suica
  • PASMO
  • 楽天Edy
  • QUICPay
  • iD
  • nanaco
  • WAON

ICカード

FeliCaチップが搭載されたプラスチックカードです。

よく見かけるのはSuicaカードやPASMOカードですね。

おサイフケータイ

おサイフケータイ

FeliCaチップが内蔵されたケータイやスマートフォンです。

おサイフケータイは本体にFeliCaマークが付いていますので、よーく見ると分かります。現在のおサイフケータイは、国産(一部海外)のAndroidスマートフォンがほとんどです。

モバイルSuicaやモバイルWAONのような各サービスのアプリをインストールすることで使えるようになります。

各サービスのプラスチックカードを持ち歩く必要がないので、とっても便利です。

NFC Payも搭載されているおサイフケータイ

2018年あたりから、NTT docomoからNFC Payのチップも搭載したAndroidスマートフォンが発売されています。

おサイフケータイはあくまでFeliCaですので、NFC Payとは別物です。ということで、スマートフォン本体にはFeliCaマークとNFCマークが2つ付いています。

海外ではNFC Payが普及しており、FeliCaはごく一部の国だけでしか使えません。

docomoはNFC Pay+FeliCaを「新しいおサイフケータイ」と呼んでいますし、いずれひっくるめて「おサイフケータイ」となりそうです。

Apple Pay

Apple Pay

iPhone 7、Apple Watch Series 2からFeliCaチップが搭載され、日本でApple Payが使えるようになりました。

AppleがiPhoneやAppleWatchの日本専用モデルにFeliCaチップを搭載したことは、かなりの衝撃でした。FeliCa非対応のままだったら、日本でApple Payを使うことは無かったでしょう。

ちなみにiPhoneはおサイフケータイではありません。

iPhoneはFeliCaもNFC Payも使える

iPhoneは両方のチップを搭載しています。

Walletアプリに登録しているクレジットカードによりけりなのですが、日本でも海外でもApple Payが使えます。

具体的には、登録しているクレジットカードが国際ブランドカードとして認識されていればNFC Payが使えます。

実際のWalletアプリを見てみましょう。

▼カードのイメージに「JCB」と「QUICPay」のロゴがあります。デバイスアカウント番号にも「JCB」「QUICPay」の2つがあります。どちらとしてでも使えるカードということです。
Yahoo!

▼「QUICPay」のロゴしかありません。実際のカードはVISAなのですが日本ではApple Pay非対応ですので無視されています。これは海外では使えません。
楽天

▼日本でもVisaのタッチ決済がApple Payに対応しました(2021/5/11追記)

iPhone 7以降をお持ちの方は一度確認してみましょう。

Google Pay

Google Payは以下のサービスを統一して登録・管理できるようにしたものです。

  • Suica
  • nanaco
  • 楽天Edy
  • WAON
  • QUICPay

単にまとめただけに見えて、Apple Payほどのインパクトは感じません。(個人的な感想です)

NFC Payは使えない

使えるサービスを見ると分かりますが、Google PayはFeliCaです。もっと言うとおサイフケータイ対応のスマートフォンでしか使えません。

ということで、NFC Payには対応していません。アメリカの企業のあのGoogleがFeliCaだけに対応させた理由がイマイチ分からないです。日本人としては嬉しい限りなのですが、どうしてなんでしょうね?

ちなみにPixel 3がFeliCa対応したことに関しては、Google Payを考えると当然かもしれません。

NFC Pay

NFC Pay

日本では馴染みのないNFC Payは、FeliCaのようにかざすタイプのコンタクトレス決済です。

国際ブランドがサービスを提供している

NFC Payには以下のような種類があります。

  • VISAのタッチ決済
  • JCB Contactless
  • MasterCardコンタクトレス
  • American Express Contactless

すぐ分かったと思うのですが、国際ブランドが並んでいます。NFC Payは国際ブランドがサービスを提供しており、国際ブランドカードを非接触で決済するためのものです。

ICカードとモバイルがある

NFC PayはFeliCaと同じように、ICカードでもモバイルでも使えます。

▼国際ブランドのロゴのそばにこんなマークがあったらNFC Pay対応です。
NFC Payマーク

クレジットカードはもちろんですがデビットカードもあります。

実は身近に使えるお店がある

日本で使える有名どころのお店はこんな感じです。

  • マクドナルド
  • ローソン
  • Tsutaya
  • IKEA

日本人はあえて使う必要が無いので気付きませんが、意外にありますね。

▼お店のアクセプタンスマークを見ると何が使えるか分かります。(以下はMasterCardコンタクトレス)
mastercard

アクセプタンスマークとは、店頭に貼ったり掲げたりされているマークのことです。ずらずら並んでいるアレです。

▼カードやモバイル端末をかざす機械にはこんなマークがあります。
コンタクトレスシンボル

店員にカードを渡す必要はないし、暗証番号入力もいらない

NFC Payは比較的安全で、楽です。

磁気カード

店員にカードを渡すのでスキミングされる可能性があります。サインが面倒。

ICチップのコンタクト決済

決済端末に差し込むやつです。手元を隠しながら暗証番号を打つのが面倒。それに番号を盗み見られる可能性があり、盗難に遭うとショッピングはもちろんキャッシングされてしまいます。

NFC Pay

かざすだけ。ただしICカードの場合は盗難に遭うとショッピングに使われてしまいます。(クレジットカードの場合は全額保障されますが)

もしどれがいいかと聞かれれたら、モバイル端末でのNFC Payと答えます。

インバウンド・アウトバウンドを考えたら普及した方がいいに決まってる

近年はホテル不足になるほど海外旅行客は増えています。それに今年(2019年)はラグビーワールドカップがありますし、来年(2020年)はオリンピックがあります。

移動用に交通系電子マネーを使うのは仕方ないとして、それ以外はカードやモバイルでコンタクトレス決済したいですよね。

日本人が海外に行った時も同様です。日本でも普及した方がいいんです。

最後に

日本はFeliCaだけが普及している特異な国ですが、少しづつNFC Payが広がり始めているようです。

NFC Payが使えるようになったとしても、FeliCaが消えない限り日本人が使うことは無いと思います。ただ、海外旅行客により快適に過ごしてもらうためには必要なことです。

ここ数年はイベント絡みで普及スピードは上がっていきますので、継続的にウォッチしようと思います。