MECM/SCCMの配信は失敗する前提で計画しよう
SCCM は完全無欠のシステムではありません。実に様々な理由で失敗します。
失敗しない前提で配信計画を立ててしまって、後で困ったなんてことありませんか?
SCCMに根拠のない楽観主義は禁物
各クライアントPCへの配信は SCCM さえ導入すればうまくいくはず。Windows を作っている Microsoft なんだから相性もいいし。
・・・なんて幻想です。
SCCM は完全無欠ではありません。様々な理由で失敗します。
全部うまくいく前提で配信計画を立てると必ず破綻します。
どうして全部成功しないの?
経験上、仮に10,000台に配信した場合、数台どころか1/4(2,500台)が失敗することはザラにあります。
よくある原因をザッと挙げてみます。
ネットワーク回線の問題
ネットワークの状況がいつも良いとは限らない
もし SCCM と拠点間のネットワークが細くて、ファイルサーバが SCCM と同じデータセンターにあったら・・・。
全国の拠点に10,000台と、1拠点に10,000台は全く違う
もちろん後者の方が失敗数は少ないです。
無線やモバイル回線しか無い拠点だってある
有線の方がはるかに安定しますよね。
クライアントPCの問題
ネットワークに全台つながっているわけがない
普段使っていないPCは当然ネットワークにつながっていませんから、電源を入れて接続してもらう必要があります。
外出先に持ち出すようなPCの場合、配信期間中に社内LANに接続されないこともあります。
途中で切断して持ち出すことだってある
ユーザーは配信されていることなんて知りませんから、途中で切断するようなことは普通にあります。
SCCMクライアントエージェントが不安定
そもそもSCCMクライアントエージェントが不安定で、うまく応答を返せないことも。
母数の問題
ActiveDirectoryにあるPCデータが全て正しいとは限らない
すでに存在しないPCデータが残りっぱなしになっていると、それが母数としてカウントされてしまいます。
要は、デバイス一覧に表示されているPCが全て配信対象だとは限らないです。
ではどうする?
失敗する前提で配信計画を立てないとつらい
全台うまくいく前提で考えない方がいいです。複数回リトライする予定を立てましょう。
成功すべきPCを見極める
失敗した原因は何でしょう?ネットワークにつながっていなかったのでしょうか。そもそも存在しないPCなのでしょうか。
失敗したPCのうち成功すべきなのはどれでしょう?
それを見極めるのが SCCM 運用の勘所です。ただ一朝一夕ではムリです。積み上げたノウハウがとても大事です。
原因究明に時間をかけるより、やり直した方が早い
調べても失敗の原因が分からないことがあります。どうして Windows でエラーが起きるのか?と同じレベルで、原因究明するには複雑すぎます。都度エラーの内容も変わりますし。
Windows でエラーが起きたら、まずは同じ操作をやり直したり再起動しますよね。
SCCM でもやり直してみましょう。結構成功するものです。
最後に
SCCM は銀の弾丸ではありません。失敗する前提で考えましょう。
ただ、SCCM よりも優れていて自信をもって勧められるシステムがあるか?と言われると「NO!」です。現時点ではベストに近い選択肢だと思います。
もしうまく運用できなかったら時間を無駄にせず、できる人・会社にお願いすればよいのです。餅は餅屋です。
貴重な時間は自分にしかできないことに使いましょう!