[MECM(SCCM)]プル配布ポイントを設定してサイトサーバーの負荷を減らそう!

MCM(MECM)
[MECM(SCCM)]プル配布ポイントを設定してサイトサーバーの負荷を減らそう!

プル配布ポイントをご存じでしょうか。

コンテンツを配布・展開に使う配布ポイントは馴染み深いと思いますが、プル配布ポイントのことはご存知ない方が多いと思います。

今回は、プル配布ポイントのメリット、設定方法、コンテンツ配布する際の注意点をご紹介します。

プル配布ポイントを設定するメリット

プル配布ポイントを設定するとどのようなメリットがあるのでしょうか。設定しない場合と設定した場合に分けご説明します。

プル配布ポイントを設定していない場合

複数の配布ポイントが一斉にコンテンツの取得に来るため、ネットワークの帯域が圧迫されたりサイトサーバーの処理に負荷がかかります。

例えるなら、リーダーが書類のコピーを部下全員に取りに来るように指示を出したところ、一斉に部下が取りにきてしまうようなものです。その影響でリーダーに負荷がかかってしまいます。

プル配布ポイントを設定している場合

サイトサーバーはプル配布ポイントに対しソース配布ポイントからコンテンツを取得するように命令を出します。プル配布ポイントはサイトサーバーに直接コンテンツを取りに行く必要がなくなるため、サイトサーバーの

  • 処理負担の軽減
  • コンテンツ配布の高速化

などの働きがあり、拠点(配布ポイント)が多いほど有効です。

先ほどの例に倣うと、リーダーが書類のコピーを指定の机に置き、部下全員に取りに来るよう指示を出します。部下が指定の机に取りに来てくれるため、リーダーの負荷を減らすことができます。

プル配布ポイントの詳しい説明は、以下のMicrosoftのサイトページにてご確認ください。

プル配布ポイントの設定方法

プル配布ポイントを設定するには、まず配布ポイントを構築する必要があります。

構築の手順の中でプル配布ポイントを設定する方法、既存の配布ポイントで設定する方法の2点をご紹介します。

配布ポイント構築の手順中にプル配布ポイントを設定する

1. サイトシステムサーバーの作成ウィザードにおいて、「サイトシステムサーバーの作成ウィザードにおいて、この配布ポイントで他の配布ポイントからコンテンツのプルを有効にする(E)」のチェックを選択し、追加を押します。

2. ソース配布ポイントを指定します。今回は「BATCH2-DP」をソース配布ポイントとして使用します。

3. ソース配布ポイントに「BATCH2-DP」が追加されたことを確認したら、インストールの手順を進めます。

4. 配布ポイントをインストール後、MECMコンソール>管理>セキュリティ>配布ポイント から該当の配布ポイントのプル配布ポイントが「はい」になっていることを確認します。

既存の配布ポイントにプル配布ポイントを設定する

1. 該当の配布ポイントを右クリックし、プロパティを選択します。

2. プル配布ポイントタブを選び、追加を選択します。

3. ソース配布ポイントを選択後、適用を押しOKを押します。

ソース配布ポイントを複数選択した場合、優先順位の値が低いソース配布ポイントから優先的にコンテンツを取得します。

プル配布ポイントに関する注意点

注意点①

MECMからコンテンツを配布する際、コンテンツの配布先を選択する場面でプル配布ポイント「BATCH2-PULLDP」を選びます。

選ぶと以下のアラートが表示されます。

選択した次のプル配布ポイントには、このコンテンツが含まれるソース配布ポイントがありません。一覧のプル配布ポイントごとに、少なくとも1つのソース配布ポイントにコンテンツを配布するようにしてください。

これはソース配布ポイントにコンテンツがないことを表しています。

プル配布ポイントのメリットで説明しましたが、ソース配布ポイントにコンテンツがなければプル配布ポイントに配布はできません。

この場合、ソース配布ポイントとなるサーバーも一緒に選択し、ソース配布ポイントにもコンテンツを配布しましょう。

注意点②

配布した際に、pulldp.log内でHTTP404エラーが発生する可能性があります。

Created SignatureDownload DTS job {JOBID} for package パッケージID, content id ContentID. JobState = NotStarted
DTS error message received for パッケージID, content job {JOBID}, 0x80070002 : BITS error: ‘HTTP status 404: The requested URL does not exist on the server.

例えば、以下のようなメッセージが表示されます。

Created SignatureDownload DTS job {7EC8C9AE-6F4E-4D97-AF84-CFC85AFDD8DD} for package C010000D.28, content id ContentID. JobState = NotStarted
DTS error message received for C010000D.28, content job {7EC8C9AE-6F4E-4D97-AF84-CFC85AFDD8DD}, 0x80070002 : BITS error: ‘HTTP status 404: The requested URL does not exist on the server.

サイトサーバーとソース配布ポイントが併設している場合、HTTP404エラーと表示されます。

上記のエラーが発生した場合の解決策として、

  • コンテンツを再配布
  • ソース配布ポイントを設定する際、サイトサーバーとは別のサーバーを使用

のどちらかを実行してください。

最後に

今回はプル配布ポイントの設定するメリット、設定方法、注意点をご紹介しました。

プル配布ポイントを使用することで、コンテンツ配布が円滑に行えるとので活用をおすすめします。

MECMについてお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください!