最新版のMCM(MECM)2309とWindows ADK 10.1.25398.1のアップデートでタスクシーケンスの不具合が発生
弊社では様々なお客様の環境において、サポート期限が近いMCM(MECM)のアップデート作業を行っております。
基本的には最新版にアップデートしますが、最新版であるが故に不具合が発生するケースがあります。
一部ご紹介しますので是非参考にしてください。
MCMのサポート期限
MCMのサポート期限は以下の通りです。
今後のサポート期限を考慮し大抵の場合は最新版にアップデートします。
今回ご紹介するお客様の環境はバージョン2207でしたので、最新版の2309にアップデートする対応を行いました。
最新版へのアップデートの落とし穴
MCMをアップデートする場合、関係するドライバやソフトもアップデートする必要があります。今回はODBCドライバのアップデートが必要でした。
またMCMがサポートしている最新のWindows ADK(以下ADK)もインストールしました。
そこで思わぬ落とし穴がありました。それはADKの不具合です。
BitLockerのプロビジョニングに不具合
最新版(2309)のMCMへのアップデートでしたので、ADKも最新版(10.1.25398.1)をインストールしました。
Micorosoftの公式サイトに記載されていますが、ADK(10.1.22000)には既知の不具合がありBitLockerのプロビジョニングでMCMのタスクシーケンスが失敗する可能性があります。
今回インストールしたADK(10.1.25398.1)は既知の不具合があるバージョン(10.1.22000)とは異なりますが、エラーが発生してしまいました。上記の公式サイトに記載されている回避方法を行いましたが、エラーは改善しませんでした。
WinPEでVBScriptが動作しない不具合も
他にもWindows PEでVBScriptが動作しないという不具合もあり、注意が必要です。
ADK for Windows 11 バージョン 22H2 (2023 年 9 月更新): VBScript は現在 WinPE で動作していません。 今後のサービス更新プログラムで修正される予定です。
不具合の回避方法
今回の環境ではMCMのタスクシーケンスでBitLockerのプロビジョニングを行っているため、何とか不具合を回避する必要があります。
現時点では2種類の方法が考えられます。
1. タスクシーケンスのBitLockerの手順を無効にする
BitLockerの手順を無効化することでエラーが解消します。
代わりにGPOでBitLockerを有効化することになりますが、OS展開が終わってから有効化しますので時間がかかります。暫定対応として検討されることをお勧めします。
2. ADKをダウングレードする
海外のサイトにADKをダウングレードすることで問題が解消されたとの情報がありました。今回のお客様の環境ではダウングレードを計画中です。もし進捗があれば追記します。
最後に
MCMのアップデートには予期せぬ落とし穴が存在します。他のお客様の環境でも同様のアップデートを行いましたが、タスクシーケンスを使用しない環境だったため、この問題に気付くことができませんでした。
すべての問題を把握することは難しいですが、MCMに関する知見を共有し皆様の業務を効率化できればと考えています。MCMに関するご質問やご相談がございましたら弊社までお気軽にご連絡ください。