【Intune】GPO移行を効率化する「グループポリシー分析」の使い方と3つの注意点

株式会社アーザスです。
オンプレミスのActive DirectoryからMicrosoft Intuneへの移行時、最大のハードルとなりやすいのが既存GPOの精査と移行作業です。「どの設定がIntuneで代替できるのか分からない」「1つずつ手作業で突合する工数がない」とお困りではありませんか?
本記事では、Intune標準の「グループポリシー分析(Group Policy Analytics)」を活用したGPOの可視化・インポート手順に加え、「MDMサポート100%の罠」や「サードパーティADMX・基本設定(Preferences)の扱い」といった実務で直面しやすい注意点をわかりやすく解説します。
グループポリシー分析とは
グループポリシー分析は、オンプレミスのAD環境からエクスポートしたGPOの構成ファイル(XML)をIntuneにアップロードすることで、その設定がIntune(MDM)でサポートされているかどうかを自動で解析する機能です。
解析結果からは以下のデータを得られます。
- MDM サポート(%):アップロードしたGPO内の設定のうち、Intune側で対応する設定項目が存在する割合
- CSP(構成サービスプロバイダー):Intune側で対応する設定の内部的な識別名
- 移行の可否:対象の設定をIntuneの「設定カタログ」などのポリシーとしてそのまま移行できるかどうかの判定
このツールを使用することで、GPOの設定項目を一つずつ手作業でIntuneの仕様と照らし合わせる必要がなくなり、移行設計の初期フェーズを大幅に効率化できます。
グループポリシー分析の実行手順
分析のプロセスは、GPOのエクスポートとIntuneへのインポートの2ステップで構成されます。
ステップ1:GPOのXMLエクスポート
1. ドメインコントローラーまたは管理端末で「グループポリシー管理コンソール(GPMC)」を開きます。
2. 分析したいGPOを右クリックし、「レポートの保存」を選択します。
3. ファイルの種類で「XML ファイル (*.xml)」を指定して保存します。
ステップ2:Intuneへのインポートと確認
1. Intune管理センターにサインインします。
2. 「デバイス」>「グループポリシー分析」の順に選択します。
3. 「インポート」をクリックし、ステップ1で保存したXMLファイルを指定してアップロードします。
4. インポート完了後、一覧に対象のGPOが表示され、「MDMサポート」の割合がパーセンテージで可視化されます。詳細をクリックすると、設定項目ごとの対応状況を個別に確認可能です。
実務運用の現場における3つの注意点
ツールとしては非常に便利ですが、実際の移行プロジェクトでは以下の仕様を正しく理解しておく必要があります。
「MDMサポート 100%」=「そのまま移行可能」ではない
画面上に「100%」と表示されていても、それは「Intuneに対応する器(CSP)が存在する」という意味であり、必ずしもすべての動作がオンプレミス環境と完全に同一であることを保証するものではありません。
例えば、複雑なWMIフィルターを用いた適用条件などは、Intune側の動的グループやフィルター機能へ別途設計を置き換える必要があります。
独自ADMX(サードパーティ製)の扱い
Google ChromeやAdobe Acrobatなどのサードパーティ製ADMXテンプレートを使用した設定は、グループポリシー分析ツール上では原則として「サポートされていません(未サポート)」と判定されます。
ただし、Intuneで管理できないという意味ではありません。これらをIntuneへ移行する場合は、分析結果からの自動移行ではなく、Intuneの「ADMX のインポート」機能を用いて独自ADMXファイルを登録してプロファイルを作成するか、「設定カタログ」内に用意されている代替項目から手動で再構成する必要があります。
基本設定(Preferences)の一部は対象外
フォルダーオプション、電源設定など、GPOの「基本設定(Preferences)」に分類される項目の多くは、グループポリシー分析の対象外となるか、Intuneの設定カタログでは直接代替できません。
これらはシェルスクリプト(PowerShell)や、Intuneの別のプロファイル機能を用いて個別に実装方法を検討する必要があります。
次のステップ:プロファイルへの移行
分析が完了し、Intuneへの移行方針が決まった項目については、画面上の「移行」ボタンを使用することで、分析結果から直接「設定カタログ」のポリシープロファイルを自動生成できます。
これにより、移行に必要なパラメーターをIntune側で手動で再入力する手間を最小限に抑えられます。
まとめ
グループポリシー分析は、複雑化した既存GPOの現状把握と、クラウド管理への移行コストを算出するための強力なアプローチです。
ただし、ツールの出力結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、サポート対象外となった設定の代替案(PowerShellでの代行など)を考慮した、事前の設計検証をしっかりと挟むことが移行プロジェクトを成功させる鍵となります。
GPOからIntuneへの移行アセスメントでお困りですか?
株式会社アーザスでは、複雑なActive Directory環境の分析から、Intuneを用いたモダンマネジメントへの移行設計・ポリシー最適化まで、実務に即した技術サポートを提供しています。ぜひお問い合わせください。
