2025年度新入社員研修 – GeoGuessr大会の運営を通して学んだこと(企画・準備編)

弊社では毎年、新人研修の一環として新入社員主導でのeスポーツイベントを開催しています。今年も2025年卒の新入社員がeスポーツイベントの企画・運営を行いました。
今回は私たち2025年卒の新入社員がeスポーツイベントの企画・運営を通して学んだことをご紹介します。
弊社の “eスポーツ研修” のご紹介
なぜeスポーツ研修なのか
目的の重要さ、タスクの優先順位のつけ方、お客様に伝わりやすい情報の伝え方、進捗管理の仕方、スケジュールの管理方法、資料作成の方法、本番当日の運営、稟議・・・。
この研修を通して、これからどんな仕事をするにしても必要になる業務の進め方を学ぶことができます。
eスポーツ研修特有の体験
準備段階ではイベントの企画を一から行いました。
- 目的
- ルール
- 会場レイアウト
- 配線
- 賞品
- 飲食物
- スケジュール
決めたことを弊社代表にプレゼンしましたが、そこでは私たちの想像力の無さを痛感することになりました。
本番当日はイベントの運営を行い、本番までに準備してきたことを問題なく進めることはもちろん、イレギュラーに対応する対応力も求められます。
次の章ではこれらの体験を通して、なにを考え、なにを学んだのかをご紹介します。
企画
目的
以下のように決めました。
- 新入社員の目的:eスポーツイベントのプロジェクトを完遂する
- イベントの目的:GeoGuessrを通して知識を出し合い団結力を高める
この目的は後々の稟議で大幅修正することになります・・・
ルール
団結力の向上を目的としているため、チーム戦で行うことに決めました。
使用するゲームモードはGeoGuessrの最も基本的なゲームモードである「Live Challenge」と、チーム戦に向いている「City Streaks」に決定しました。
各ゲームモードの簡単な説明は以下の通りです。
Live Challenge
① ランダムに表示されたストリートビュー内の周りを見回したり、移動したりしながらヒントを探します。
② ヒントをもとに位置を予想します。
③ 正解の位置と予想の位置が近ければ近いほどたくさんのポイントを獲得できます。
④ これを6ラウンド行い、合計ポイントで順位を決定します。
City Streaks
① ランダムに表示されたストリートビュー内の周りを見回したり、移動したりしながらヒントを探します。
② ヒントをもとに予想の位置をマップの選択肢の中から選択します。
③ 正解するとイナズマの値が増えます。
④ 最終的なイナズマの値で順位が決定します。
そして、対戦形式は全チーム最後までプレイしてもらうために全チーム一斉参加で行うこととし、各試合の順位に応じたポイントを獲得するポイント制で最終順位を決定することにしました。
会場レイアウト・配線
追加購入する機材があると予算に関わるため、稟議のためにも先に機材の確認を行い、その後に会場のレイアウト、配線図を複数案作成しました。
レイアウトも配線も変わるものだというアドバイスを頂いていたので、ざっくりと機材やケーブルごとの役割を説明できるものにしました。
レイアウトで心がけたことは2つあります。
1つは競技と観戦の空間を分けるように作ったことです。これは人の混雑が予想されていたため、完全に分ける必要があったからです。
もう1つはMCの位置を中央にすることです。競技を行っている出場者、観戦者に話題を振りやすくするためです。
購入物(賞品、飲食物)
飲食物
団結力を高めるというイベントの目的から食事中もコミュニケーションを取ってもらいたいと考えたため、取り分けて食べることができるオードブルや焼き鳥などを購入することを決めました。
賞品
優勝したチームに贈られるチーム賞と、Live Challengeで最も近い回答を出した人に贈られるMVP賞の2つを設けました。
チーム賞は実用的なものを、MVP賞はGeoGuessrのゲーム内容に沿った光る地球儀を選びました。
プロジェクトスケジュール・当日スケジュール
プロジェクトスケジュール
円滑に準備を進めるために作成班と検証班に分けることでそれぞれの作業を明確にしました。作成班はいつ誰が何を作るのか、検証班はいつ何の検証を行うのかをWBS・ガントチャートにしました。
当日スケジュール
各ゲームモードに適したプレイ時間を調べるためにテストプレイを何度も行いました。さらに、ルールを設定した際に参加者の移動時間を設けるべきだと判断したため、ゲームのプレイ時間に加え移動時間を考慮した余裕のあるスケジュールとしました。
稟議
ここまでのアイデアを以下の順番でドキュメント化し、弊社代表に対しプレゼンを行いました。
- 目的
- 全体スケジュール
- ゲームタイトル
- 全体ルール
- ゲームモード
- モード別ルール
- 会場について
- 集客について
- 購入物
- 必要経費
- 運営スケジュール
しかし、内容、資料の表記、デザインともに伝わりづらいものになっていました。特に目的や、スライドのデザインについて以下のような指摘を受けました。
目的
主な「目的」はイベントの目的であるのに、自分たちの研修の目的を最初に説明していました。 またイベント自体の目的についても、目的の背景が明確ではなく抽象的だという指摘を受けました。
スライドのデザイン
パワーポイントのテンプレートをそのまま使用した結果、見やすさを意識していないスライドのデザインになっており、強調したい部分が分かりにくくなり、今回のイベントについて一から知る相手に伝わりづらいスライドになってしまっていました。
再稟議
特に強く指摘を受けた目的とスライドのデザインについて見直し、目的の再設定、スライドの再作成を行い、再稟議に臨みました。
目的
課や案件が違う人との関わりが少ないという弊社の背景から2つの目的を設定しました。
- 『地域』や『地元』というテーマの会話を生み出すGeoGuessrを通して、課・案件・年齢を超えた交流を促進する
- チーム戦の要素を用いて、積極的な質問や発言を増やす
背景を考慮した具体的な目的を設定することができたと思います。
そしてこれらの目的を達成するために、チーム内でいつも以上にコミュニケーションを積極的に取っていた1人に贈られる「チーム内MVP賞」を新たに作りました。
スライドのデザイン
テンプレートを使用せず、シンプルなデザインで作成しました。
デザインがシンプルになったため強調したい部分が明確になり、初回の稟議よりも伝わりやすいスライドにすることができたと思います。
しかし、まだ不必要な情報があり、反対に必要な情報が抜け落ちている点もありました。伝わりやすい資料作りにはまだまだ課題があります。
準備
集客
eスポーツイベントを開催することを社員に知ってもらうために告知用のホームページとチラシを作成しました。
ホームページはeスポーツ研修前に作成した新入社員の自己紹介ホームページに追加する形で作成しました。すでに自己紹介ホームページが社内で認知されていたため、そのまま告知に活用できました。
チラシは、過去のイベントでオフィスに貼ったことが非常に有効だったため、今回も採用しました。
エントリーフォーム
参加者したい人のためのエントリーフォームも作成しました。
所属・入社年度・意気込みなどいくつかの情報を収集できるためです。
- 所属・入社年度:イベントの目的である課、案件、年代を超えた交流を図るチーム分けをするため。
- 意気込み:配信やスライドの待機画面、本番で観戦席に配布する資料に活用するため。
購入(賞品、飲食物)
1チームにつき4人、計5チームを想定し、チーム賞4つとチーム内MVP賞5つ分の賞品を購入しました。
購入担当に購入をお願いしたのですが、依頼文の添削で伝わりやすい言葉遣いや文章ができていないことを再度痛感しました。
- 同じ表現が続いてしまっていた
- 文面のみで認識を合わせることの難しさ
- 文言の問題(して頂けますでしょうか → していただけますでしょうか)
本番資料作成(スライド、動画、参加者説明資料)
MCで話すことを想像しながら台本の土台となるようなスライドを作成しました。また、操作説明は動きがあった方が分かりやすいため動画を作成しました。
また、参加者説明資料を観戦席と競技席に配布しました。
作成班で何度も話し合いを重ねた結果、分かりやすい資料作成ができたと思います。
台本作成
スライドを基にMCの台本を作成しました。
また、今回初めてMCに挑戦するため、eスポーツイベント運営を行っている社員と練習を行いました。参加者を飽きさせない話し方で会場の雰囲気をコントロールする、という意識を持つことが大切であることを学びました。
香盤表作成
作成した台本を基に香盤表を作成しました。
香盤表とはイベント当日の流れ、タイムスケジュール、スタッフそれぞれの役割を記載したものです。
タイムスケジュールはもちろん、それぞれの役割の細かい動きを把握して記載する必要があります。
スタッフ一人ひとりと確認することで、それぞれの役割が明確になった香盤表を作成できたと思います。
配信準備(OBS、配信機材準備、配信レイアウト作成)
会場に来ることが難しい社員向けにYouTubeで配信を行いました。
配信上でも会場と同じように盛り上がることができるように、待機時間や休憩時間に意気込みを表示したり、配信を見やすくするためのUI作成を行いました。
また、OBS(配信ソフト)や、ミキサーなどの音声機材の機能を理解し、カメラや各チームのゲーム画面の切り替えや音声設定を行う必要もありました。
短い準備期間ながら、思い描いていたことを実現することができたと思います。
準備期間を通して学んだこと
準備期間を通して多くのことを学ぶことができました。特に「目的」は重要です。目的はプロジェクトの芯です。背景を正確に捉え、課題を発見し、その課題を解決するための目的を具体的に設定できるかどうかでプロジェクトが成否が変わります。
終わりに
次の記事では、本番前日のリハーサルから本番当日の運営の様子と、この2日間で何を学ぶことができたのかご紹介します。