GoogleのFloC導入によるサードパーティークッキー廃止の与える影響とは?

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サードパーティークッキー廃止!今後導入されるFloCの与える影響とは?

Googleがサードパーティークッキーを廃止し、代わりにFloCという機能を採用するというニュースはご存じでしょうか。といっても廃止に対する批判ばかりが目立ち、何がどう変わるのかよく分からない方が多いと思われます。

この記事では今後導入されるFloCの与える影響について簡単に書いていきます。

そもそもCookieって何?

アクセスしたWebサイトからデバイスに保存される情報のことです。

厳密にはユーザーやブラウザの状態を継続的して管理するために、情報を保存する役割を持っています。

一度サイトにログインしたら、その状態を保存してくれるのもCookieです。Webサイトを快適に見ることができるのはCookieのおかげなのです。

Cookieに保存された情報には有効期限があり、期限外になると廃棄されます。

サードパーティークッキーとは?

Cookieはドメイン名の情報と紐付けられて管理されています。

現在開いているWebサイトとは異なるドメイン(サーバー)から送受信するCookieがサードパーティークッキーです。

例えばAmazonでお買い物をしたら、全く関係ないWebサイトで買ったものに関連した広告が出たりする「トラッキング広告」がそれにあたります。

現在開いているWebサイトと同じドメインの場合はファーストパーティークッキーと呼ばれます。

FLoCとは?

Googleが考え出したサードパーティークッキーの代替え案で、Federated Learning of Cohorts (群れの連合学習)の略称です。Webサイトを訪れた大量のユーザーのデータを分析し、それをグループ単位で管理します。

好みの近いユーザーで構成されたグループごとに管理されたCookieという感じです。

メリット

  • Webサイト側に個人の履歴を残さない
  • ユーザーの好みの最適化ができる

Webサイト側に個人の履歴を残さない

サードパーティークッキーでは個人のブラウザ内での行動が残ってしまいますが、FLoCの場合はブラウザ内で行動分析後、グループにデータを分類します。

ユーザーの好みの最適化ができる

グループごとのIDと紐づけて保有データを活用できるので、ユーザーの平均的な好みを把握することができます。

サードパーティークッキーをGoogleが廃止する理由

  • Webブラウザ単位で履歴が残るから
  • 個人のデータが第三者に提供されることへの嫌悪感
  • トラッキング型広告の与える不安

Webブラウザ単位で履歴が残るから

個人のブラウザでの行動履歴が残ってしまうので、ものによってはプライバシー侵害にあたります。

個人のデータが第三者に提供されることへの嫌悪感

「企業がユーザーの好みの傾向をCookieから把握する」ということではありますが、Webサイトによっては提供者の情報を集める目的が把握できない場合があります。

トラッキング型広告の与える不安

上と同じくトラッキング型広告に対しての不安があります。ユーザー側からしては「監視されているみたいで嫌!」という声が多いのです。

FLoCの問題点

  • 個人を特定できる手段が無いわけでは無い
  • サードパーティークッキーを利用する広告業界の損失
  • ユーザーのデータの活用先が不透明
  • 企業から見てユーザーの好みが画一的になってしまう

個人を特定できる手段が無いわけでは無い

他のツールと組み合わせれば特定は不可能ではありません。

サードパーティークッキーを利用する広告業界の損失

サードパーティークッキーを利用したターゲティング広告で利益を得る企業がモロに影響を受けてしまいます。

具体的には、表示する広告の種類が人気のあるものばかりになります。大手は需要がもともとあるので儲かりますが、これから広告で売り上げを伸ばそうとしている企業にとっては迷惑な話になってしまいます。

ユーザー情報のどこが反映されるかがランダム

ユーザー情報はWebサイトの中で閲覧傾向が近い他のユーザー情報と一緒に機械学習にかけられるため、ユーザー情報のどこの部分がFloCによる広告に反映されるか分かりません。

企業から見てユーザーの好みが画一的になってしまう

ユーザーが個人単位からグループ単位に統一されるので、ユーザー個人に対しての解像度が低くなり、広告内容が画一的になってしまう懸念があります。

終わりに

遅くともGoogleは2022年までにCookieを利用した広告を完全廃止し、FloCに置き換えていくようです。ブラウザによってはFloCを許可しない姿勢のものもたくさんあるので、人によっては使っているブラウザを変える必要が出てくるかもしれません。

また、日本の公正取引委員会からCookieの利用を規制する動きが見られるので、企業はFloCに合わせた広告戦略を検討する必要がありそうです。