[MECM/SCCM]ピアキャッシュクライアントが配布ポイントに殺到!フォールバックで回避しよう
ピアキャッシュソースの電源が落ちていたり障害が起きている場合、ピアキャッシュクライアントが一斉に配布ポイントに殺到してWANが混雑し、他の業務に影響が出ることがあります。
今回の記事では、そんな事態を「フォールバック」で回避するための処置を紹介します。
仕組み
ピアキャッシュソースを配布ポイントの代用として使っている場合、本来はこのような状態で運用していることになります。(左図)
しかし、ピアキャッシュソースの電源が落ちているなど何らかの理由で通信ができない場合、配布ポイントへ一斉にピアクライアントのアクセスが集中してしまいます。(右図)
ピアキャッシュ
指定したコレクション内のPCをダウンロード元として利用する機能のことです。
配布ポイントを置けない拠点で使用されます。
ダウンロード元として設定したPCを「ピアキャッシュソース」と呼びます。
フォールバック
配布ポイントへのアクセス集中を避けるためには「フォールバック」の設定が必要です。
フォールバックとは、通信に失敗した場合、代替の通信先に切り替える機能のことです。代替の通信先や、切り替えるまでの時間を設定しておくことができます。
今回は以下のような使い方をします。
- ピアキャッシュソースとの通信に失敗した場合、通信先を配布ポイントに切り替えるよう設定する
- 切り替えるまでの時間は120分(デフォルト)とする
- 切り替えるまでにピアキャッシュソースとの通信を復旧させることができれば、配布ポイントに通信が集中する事態は避けられる
これによって、配布ポイントへアクセスが集中してWANに影響が出る前に、ピアキャッシュソースの復旧をする時間ができるというわけです。
フォールバック設定の流れ
境界グループの作成
2つの境界グループを作成します。
- 【ピアキャッシュグループ】ピアキャッシュソースとピアキャッシュクライアントがいる境界グループ
- 【配布ポイントグループ】配布ポイントのみの境界グループ
フォールバック設定
1. ピアキャッシュグループにフォールバック設定する
ピアキャッシュグループ(図の「GROUP1」)に対し、配布ポイントグループ(図の「配布ポイント」)へのフォールバック設定をします。
赤い枠線はピアキャッシュソースへの通信が120分間できなかった場合、配布ポイントグループからコンテンツをダウンロードをするということを指しています。
2. サーバー側の設定
MECMサーバーの「階層設定のプロパティ」にある
クライアントピアキャッシュのソースを構成して、コンテンツをパーツに分割します。これらのパーツを使用することでネットワーク転送が最小化され、WANの使用率を下げることができます
にチェックを入れます。
これで完了です。
最後に
ピアキャッシュソースを利用しているなら、予防線としてフォールバック設定は必ずやっておきましょう。